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ファイナルファンタジー タクティクス
 
製作:スクウェア
発売日:1997年6月20日
機種:プレイステーション
価格:6,800円
メディア:CD-ROM 1枚
ジャンル:シミュレーションRPG

■最新情報(2025/06/19)

松野氏が海外版の事情について触れる
・海外では北米でしか発売していないため、欧州などはPSP版が原点

松野氏らが当時の開発エピソードを語る
・売れるゲーム、Tオウガタイプのゲームにして欲しいと坂口Pからオーダー
・当初はRTS(伝説のオウガバトル風)だったが方針転換
・トータルで250万本売れてビジネスとしては大成功

リマスター版が発売決定


■プロローグ

遥か昔、イヴァリースを二分した「獅子戦争」。そこには2人の若者がいた。
後に獅子戦争を終結に導いたと云われる英雄王ディリータと、歴史上において名が語られることの無い青年ラムザ。
2人の生き様を通して、歴史の影に葬られていった「真実」が解き明かされていく。


■概要

FFの世界観やシステムを取り入れたシミュレーションRPG
大人向けの重厚なストーリーと高い戦略性が特徴
成長システムは「ジョブチェンジ」の進化形「ジョブメイキング」
バトルは3D空間に時間の概念を取り入れた「4Dバトル」

後にPSPやスマホで完全版(獅子戦争)が発売
現行機向けにリマスター版(イヴァリースクロニクルズ)が発売


■世界観 / 物語

「イヴァリース」で起こった「獅子戦争」が描かれる

イヴァリース
6つの統治領に分かれ、それぞれの領主が自治を行っている、国家連合のような形
各統治領をまとめ掌握しているのがイヴァリース国王

獅子戦争
ゼルテニアを治めるゴルターナ公とガリオンヌを治めるラーグ公の間に起こった戦争であり、イヴァリースの内紛


■バトル

公式名称は「4Dバトル」または「チャージタイムバトル(CTB)」
3Dフィールドに時間の概念を導入、より戦略的で緊張感溢れるバトルに

チャージタイム(CT)ゲージが100%になったキャラから順に行動
CTゲージの貯まるスピードは「素早さ」に依存

HPがゼロになると戦闘不能
戦闘不能後3カウントが経過するとクリスタル化(死亡)


■ジョブメイキング

「ジョブ」と「アビリティ」を自由に組み合わせて、自分好みのキャラクターに成長させることが可能

ジョブ:個性的な特徴を持つ20種類以上の職業
アビリティ:各ジョブが持つ固有の能力

アビリティの入手方法
・闘で得たJP(ジョブポイント)と交換
・敵からラーニング
・クリスタルで継承


■その他の要素

ディープダンジョン
本編ではなくサブイベントに該当するダンジョン(やりこみ要素)
全10層で構成、画面は真っ暗で、クリスタルの数に応じて明るくなる
敵を倒すだけでは先へ進めず、下の階への扉を見つける必要がある

後にFFお馴染みの武器となる『セイブザクイーン』が初登場

隠しキャラクター
FF7のクラウドが仲間として登場
・エアリスもイベントに「花売り」として登場


■仕様(PS1版)

解像度:256x240
プレイ人数:1人
メモリーカード対応(1ブロック/1箇所)

『サガフロンティア』などの体験版が収録されたCD-ROMが付属


■セールス・評価

全世界累計:270~280万本(2019年)
・移植版やリメイク版も含むものとみられる

オリジナル版(PS1)
国内:120~130万本
北米:約50万本(欧州は未発売)
松野氏によると「国内135万本、廉価版や海外と合わせて約250万本で、ビジネスとしては大成功」

評価
ファミ通クロスレビュー:34/40
NHK FF大投票:11位(スピンオフの中ではトップ)

その他
ファミ通「期待の新作」で初登場2位(1位はFF7)


■開発

開発:スクウェア開発第4部
開発期間:約1年(96年4月~97年5月)

『伝説のオウガバトル』『タクティクスオウガ』を手掛けた松野泰己氏らが中心となって製作
ゲームデザインはFFシリーズのゲームシステムを構築してきた伊藤裕之氏(装備品の名称なども同氏によるもの)

スクウェア開発第4部
1995年11月頃、スクウェアがSFC向けプロジェクトの完了に伴い開発チームを再編
北瀬氏の開発1部がFF7、河津氏の開発2部がサガフロ、田中氏の第3部がゼノギアス、第4部として松野氏らがFFTを手掛けることに
開発5部は時田氏がロスでPEを手掛けることになったため解体、皆葉氏らグラフィックチームと企画チームが4部へ合流

売れるゲーム
当時のSRPGは売れて50万本程度だったが、坂口Pは100万本を目標に設定
FFファンを取り込むためジョブやアビリティを導入、FF7のキャラを許諾を得て実装

シナリオ
松野氏はシナリオではなくバトルを手掛けたかったが、伊藤氏との兼ね合いからシナリオ担当に
企画段階ではラムザ篇とディリータ篇という2つのシナリオが同時並行で展開される予定だったが、ラムザ篇のみの構成に(開発期間の関係や、オウガのテーマと被るため)
クラウドの登場はファンサービスの意味合いが強く、FF7との関連性についてはあまり考慮されていない
エンディング後のラムザ達の運命は後に松野氏が公言し公式設定に

システム
開発当初は伝説のオウガバトルのようなRTSだったが、坂口PからTオウガ風にして欲しいとのオーダーを受け方針変更
チャージタイムバトルはCD-ROMのロード面での制約から生まれたシステム

グラフィック
皆川氏は隣で開発されていたトバルNo.1の影響を受け、60fpsにこだわって制作

その後
本作の舞台であるイヴァリースは後にFF12で再登場(世界観を共有)
後に携帯ゲーム機向けに本作の完全版スピンオフタイトルが複数登場
FF14にFFTをベースとしたストーリーが語られるコンテンツが登場
続編の企画も存在したが実現せず、現在に至るまでナンバリングの新作は発売されていない


■製作スタッフ

ディレクター:松野 泰巳
ゲームデザイン:伊藤 裕之
アートディレクター:皆川 裕史
シナリオ:松野 泰巳
イベントプランナー:秋山 淳
メインプログラム:村田 琢
キャラクターデザイン:吉田 明彦
音楽:崎元 仁 / 岩田 匡治
プロデューサー:坂口 博信


■関連商品

関連作品
機種
発売日
価格
備考
スクウェアミレニアムコレクション
PS
2000/06/29
3,800円
廉価版・グッズ同梱
FFタクティクス PS one Books
PS
2001/12/20
2,500円
廉価版
アルティメットヒッツ FFタクティクス
PS
2006/07/20
1,500円
廉価版
PSP
2006/05/10
4,800円
新要素追加
ファイナルファンタジータクティクス
PS3/PSP
2009/05/13
1,000円
ゲームアーカイブス
FFタクティクス 獅子戦争
iOS
2013/08/04
1,400円
PSP版の移植
FFタクティクス 獅子戦争
Android
2013/02/14
1,400円
PSP版の移植

攻略本
ファイナルファンタジータクティクス 大全
1997年発売 全304ページ Amazon
ファミ通から発売された完全攻略本
システム分析、バトル攻略、シナリオ解明、全データ掲載
開発スタッフインタビューなどは非掲載

OST
FFタクティクス オリジナルサウンドトラック
2枚組 全71曲 オリコン初登場62位 Amazon
初回特典:ポスター・カード オリコン初登場62位

廉価版
スクウェア ミレニアム コレクション第1弾
限定生産・廉価版 Amazon
メモリアルグッズ&ピクチャーディスク&スペシャルパッケージ
「ゾディアック・クロック」「キャラクター&ジョブトランプ」付属

ブリングアーツ(塗装済み可動フィギュア)
Amazon:ラムザ / ディリータ / アグリアス


■その他

攻略本の誤植
ファミ通から発売された攻略本『FFT大全』には誤植が多く見られたが、実際には開発側が意図的に誤ったデータを渡していたと後に松野氏が暴露
渡されたデータを検証せずにそのまま掲載しているのではないかと疑念を抱いた伊藤氏が、故意に誤ったデータを渡したというのが真相

ベイグラントストーリー
松野氏がFFTの次に手掛けた完全新規タイトル
FFT2という選択肢もあったが、次世代機(PS2世代)のノウハウ作りをするため、3Dゲームに
国内でのセールスは振るわなかったがプロジェクトの目的は達成、次回作のFF12に活かされている

幻の続編(FFT2)
松野氏らがFFTの後ベイグラントストーリーを製作していた頃、坂口氏が外注(スティング)を使ってFFT2を作ろうとしていたが、(ゲーム内容以外の)諸事情により開発中止となり、その後、松野氏と皆川氏が企画を手掛けることに
PS1向けで3DマップではなくHEX(2D)
その後、諸事情により企画中断(松野氏らがプレイオンラインFF12に携わることになったため?)
プレイオンライン向けに作っていた小規模のSRPGとの関連性は不明


■過去のニュース

サガフロ2河津氏インタビュー
・ストーリー重視の作りはFFTやゼノギアスにも影響を受けた部分がある
・物語を追う視点を大きく変えたり、あえて時代を大きく飛ばしたりという見せ方に刺激を受けた

松野氏がタクティクスRPGの真髄を語る(2023)
発売25周年:ファミ通 / 電撃 / GW / 電ファミ



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