ファイナルファンタジーVII 発売日:1997年1月31日 機種:プレイステーション 価格:6,800円 メディア:CD-ROM 3枚組 販売本数:1,410万本 |
関連作品
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機種
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発売日
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備考
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PS
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1997/10/02
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改良版
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PC/スマホ/CS
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2013/05/16
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移植
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PS4/PS5
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2019/03/03
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フルリメイク
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攻略情報 | Part.1 | Part.2 | Part.3 | 攻略補足 |
| キャラ | ストーリー | 用語解説 | システム | 開発 | 影響 |
| インターナショナル版 | 移植版 | 関連商品 | リンク |
■最新情報(2024/04/11) |
■ストーリー |
星の生命である魔晄エネルギーを吸収し、自然を破壊する巨大企業・神羅。 その神羅が支配する魔晄都市ミッドガルにて、反乱グループの手により壱番魔晄炉が爆破された。 神羅に抗うため秘密裏に結成されたその組織の名はアバランチ。 かつてソルジャーとして神羅で活動したクラウドも、今回の爆破作戦に加わっていた。 神羅、そしてその影に潜む更なる強大な敵に対し、クラウド達は星の命運を賭けて挑む。 |
■特徴 |
テーマは「星の命」 3D表現に優れた「プレイステーション」で発売 ワールドマップやバトルシーンがフル3Dに、街やダンジョンもCGで描写 ダイナミックなイベントはプリレンダムービーで演出 ストーリーは主人公の内面に関わる3部構成 装備にマテリアを装着することで様々なアビリティや魔法が使用可能に チョコボの育成やレースが可能に シューティングやスノーボードなど本格的なミニゲームが多数登場 |
■備考 | ||||
全世界においてゲーム史に残る大ヒットを記録(累計1,400万本以上) 3DCGとゲームを融合させた次世代RPGとして、ゲーム業界に多大な影響を与えた。 プレイステーションにおけるキラータイトルとしてハードの普及に大きく貢献、同ハードをトップシェアへと導いた。 これまで和製RPGが全く受け入れられていなかった北米や欧州でも大ヒットを記録。以降、FFは世界規模でメジャータイトルに。 FFシリーズの中でもトップクラスの人気を誇り、現在に至るまで様々なタイトルが発売され続けている。(FF7シリーズ) 前作FF6を手掛けたスクウェア開発第1部(FFチーム)が製作 発売の1年前から情報公開&プロモーション開始 発売時はテレビ番組(ニュースJAPANなど)で特集が組まれるなど、高い注目を集めた。 国内版パッケージはタイトルロゴのみのシンプルなデザインで、以降のFFシリーズの伝統に これまで海外ではFF4がFF2として、FF6がFF3として発売されていたが、本作以降は日本と同じナンバリングに統一 FFシリーズ初の体験版を格闘ゲーム『トバル No.1』に同梱 北米ではWindows版も発売 1997年、インターナショナル版が発売(以降、廉価版や移植版は全て本作がベースに) 2001年、FF7~9のPS2へのリメイク計画が発表されたが、中止に 2004年、FF7のその後のストーリーを描いた映像作品『FFVII アドベントチルドレン』が登場、以降「コンピレーションオブFFVII」として関連作品が複数発売 2005年、E3でFF7のオープニングをPS3で再現した技術デモが公開 2014年、FF7のミニゲーム「Gバイク」がスマートフォンでリメイク 2020年よりフルリメイク作品が全3部作で発売 ■初公開 1996年2月12日発売の週刊少年ジャンプにて初公開、同週発売の週刊ファミ通に特集記事掲載 ・PSで発売、3DCG、定価5,800円を全面的にアピール ・今後スクウェアの主力タイトルは全てプレイステーションで展開すると坂口氏が表明 「3DCG」と「PSへの移行」を印象づけるTVCMを放映(動画) ■発売日 1996年12月発売予定だったが、翌年1月末に延期(ディスク枚数の変更と共に告知) これまでFFシリーズは約1年間隔という短いスパンで発売されてきたが、本作は前作(1994年4月)から2年10ヶ月後に発売 ・クロノトリガーの開発補助やプラットフォームの変更などによる影響 ■販売価格 定価は6,800円で、前作の約半額に(FF6の定価は11,400円) 2枚組5800円の予定だったが、3枚組6800円へ変更 ・これに伴い発売が約1ヶ月延期 CD-ROMへの移行や流通コストの削減、ロイヤリティの大幅な低下などにより、低価格での販売を実現 ・ソフト1本あたりのロイヤリティ(ハードメーカー側の取り分)は、SFCが1万円のソフトで4,000円、PSが800円 SCEによる流通改革や(CD)自社工場生産のおかげで、FF4から続いていた発売直後の品薄が解消 スクウェアはFF7を含むゲームソフトをコンビニでも販売するために株式会社デジキューブを設立 ■販売本数 全世界累計:1,410万本以上(2023) ・パッケージソフト出荷本数とダウンロード販売数の合計(リメイク版は含まない) オリジナル(PS1)版 国内実売本数:326万本 IN版・廉価版を含む出荷本数:国内390万本/海外544万本/世界累計990万本 FF7発売時の各ハード普及状況(国内) PS/500万台 SS/440万台 N64/185万台 SFC/1700万台 ・PSは本作の発売後から急激に伸び、同年末に国内1,000万台を突破 発売当時のハードの価格:19,800円(プレイステーション) FF7発売週の国内販売台数:約18万台(前週は約10万台) 予約はデジキューブのみで150万本突破、コンビニによる新たな流通形式を確立(CM動画) 発売初週に200万本を販売、最終的に326万本を販売(シリーズ初の国内トリプルミリオンセラー) ワールドワイドではFFシリーズ最大の販売本数を記録(国内ではFF8/収益トップはFF11) これまで海外ではFFシリーズ累計でも50万本程度だったが、本作は予約だけで北米90万本、欧州45万本に FF8発売時点でのFF7世界総出荷本数は724万本(公式発表) これまでのシリーズ(FF1~6)の累計を、本作のみで上回るという大ヒットに インターナショナル版や廉価版などを含め全世界で1000万本以上を販売、スクウェアは3~400億円以上の収益を得た。 現在でも「日本製のRPGで最も売れたタイトル」 任天堂の山内社長はFF7について「開発費の高騰により利益が出なかった」「世界最大の市場である北米では相手にされていない」などと批判したが、実際には前述の通り莫大な収益を上げており、北米市場においても大ヒットを記録している。 これまで『FF』はセールスにおいて和製RPGの先駆者である『ドラゴンクエスト』の後塵を拝していたが、ドラクエが成し得なかった海外での成功を果たしたことにより、本作以降はFFが大きくリードを広げている。 攻略本の『解体真書』は170万部以上を販売、1997年間ベストセラー4位、公式設定資料集は15位 ゲームアーカイブス版は1,500円という高価な配信価格にも関わらず、2週間で10万ダウンロード突破 派生作品やフルリメイクを含む累計は2,720万本以上(2023年10月) ■予約特典 デジキューブ(コンビニ):FF7特製ガイドブック 小売店:FF7卓上カレンダー ・デジキューブの予約特典は当初50万冊の予定だったが、すぐに50万本を突破してしまい急遽77万冊に増刷、その後更に予約は伸び最終的に150万本を突破、特典は予約者全員配布へ変更 ■体験版 『トバル No.1』に付属 TGS1996で無料配布(FF6の3D技術デモ映像も収録) PS(CD-ROM)への移行により、デモディスクを安価で配布することが可能に ミッドガル壱番魔晄炉爆破までプレイ可能 製品版とは異なり、エアリスがパーティーメンバーに加わっている。(クラウド/エアリス/バレット) リヴァイアサンの召喚が可能 タイムリミットイベントは制限時間3分(製品版では10分)、救出必須キャラクターは2人(製品版では1人) ▼『トバル No.1』詳細
スクウェアのプレイステーション参入第1弾 開発はバーチャファイターや鉄拳を手掛けた石井精一氏が率いるドリームファクトリー キャラクターデザインは鳥山明氏 続編の「トバル2」には特典としてFF7のムービーシーンをまとめた映像が収録 ■評価 週間ファミ通クロスレビュー 38/40(10.9.10.9) インターナショナル版:37/40 前作の37点を上回り、これまでのシリーズの中でも最も高いスコアを獲得 浜村氏(当時編集長)がクロスレビューで満点を付けたのは本作が初 圧倒的スケール、従来のレベルを遥かに上回るなど、特にグラフィックや演出、シナリオへの評価が高い。 比較:FF6/37 FF8/37 FFT/34 サガフロ/31 ゼノギアス/31 TOD/31 ペルソナ/32 堀井雄二氏 マップが細部までリアルに表現されているので探索が楽しい、ただ行ける場所が分かりづらい バトルは迫力があり召喚の演出に興奮、戦闘時間は少し長いが飽きさせないパワーがある ドラクエはあくまで自分が主人公、FFは触れる映画を目指しており、作り手としては全く逆の発想で、違う道を進み始めた FF7は従来の路線がPSで強まって凄いゲームになった、DQ7は従来の路線を引き継ぐか大きく変化させるかで迷っている その他 読売新聞(1997/3/2)が「FF7満塁本塁打の出来」という記事で本作を絶賛 ・一方で朝日新聞(1997/3/8)は酷評する記事を掲載 ランキング オリコンランキング「好きなテレビゲームのキャラクター」でクラウドが2位に ギネス・ワールド・レコーズ主催「ゲーム史上最も有名なゲームキャラクターTop 50」で5位にクラウド、32位にセフィロス 1万人が選ぶ「プレイステーション」歴代人気ソフトの「リメイク&次回作が楽しみなゲーム」で1位に FF大投票(国内):作品ランキング2位 テレビゲーム総選挙(国内):3位(FFシリーズ1位) ■経緯 1994年12月3日 プレイステーション、国内で発売 1995年8月8日 シーグラフにFFの3D技術デモ出展 1996年2月 FF7初公開&TVCM放映(動画) 1996年2月6日 株式会社デジキューブ設立 1996年8月2日 『トバル NO.1』発売(FF7体験版付属) 1996年8月22日 東京ゲームショウにて体験版を無料配布 1997年1月14日 エニックスが「DQ7をPSで発売する」と発表 1997年1月31日 国内にてFF7発売 1997年8月31日 北米にてFF7発売 1997年11月14日 欧州にてFF7発売 1997年10月2日 国内にてインターナショナル版発売 1998年6月24日 北米にてWindows版発売 2001年1月27日 FF7~9のPS2リメイク計画発表(翌年中止) 2005年5月16日 E3 2005にてPS3技術デモ公開 2005年9月14日 『FFVII アドベントチルドレン』発売 2009年4月10日 ゲームアーカイブス配信開始 2012年6月25日 海外でWindows版が再発売 2013年5月16日 Windows版が日本語対応 2015年6月16日 E3 2015にてFF7のフルリメイクが発表 2018年 FF7吹奏楽コンサート2018開催 ■受賞暦 プレイステーションアワード'97:トリプルプラチナプライズ CESA大賞'97(第2回 日本ゲーム大賞):大賞 / シナリオ部門賞 / サウンド部門賞 平成9年度(第1回)文化庁メディア芸術祭 デジタルアート部門:優秀賞 PS Awards 2014:20周年記念ユーザーズチョイス賞 ファミ通アワード2014:ゲームメディアアワード 2018 World Video Game Hall of Fame Inductees Announced(米ストロング国立演劇博物館) PlayStation Awards 2018:プレイステーション25周年特別賞 FF7が発売された1月31日が日本記念日協会により「ファイナルファンタジーVIIの日」として制定 ■他作品への登場 『ファイナルファンタジー タクティクス』にクラウドが登場 『チョコボレーシング』にクラウドが登場 『エアガイツ』にクラウド、ティファ、ザックスが登場 PS版ではセフィロス、ユフィ、ヴィンセントが追加 『キングダムハーツ』にクラウド(22歳)、シド(42歳)、エアリスが登場、『ファイナルミックス』にセフィロスが登場 『KH チェインオブメモリーズ』にクラウド、エアリス、ユフィ、シドが登場 『キングダムハーツII』にFF7ACバージョンのクラウド、ティファ、エアリス、ユフィ、シド、セフィロスが登場 『DQFFいたスト』シリーズにクラウド、ティファ、エアリス、セフィロスが登場 『ディシディアFF』シリーズにクラウド、セフィロス、ティファがプレイアブルキャラクターとして登場 『キングダムハーツ BbS』にザックスが登場 『リトルビッグプラネット』にFF7コスチュームが追加 『LRFF13』にクラウドやエアリスのコスチュームが登場 FF14に「ゴールドソーサー」や「クラウドの装備一式」などが登場 『スマブラ』にクラウド、セフィロスが登場(DLC) 『パワーウォッシュ シミュレーター』でFF7コラボDLC配信 |
■主要キャラクター(ネタバレ注意) | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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■ストーリー・世界観 |
本作は、世界ではなく主人公に主軸を置いたストーリー展開に これまでのFFは世界が複数に分かれていることが多かったが、本作は最後まで1つの世界が舞台 ストーリーは主人公の内面に関わる出来事が3段階になっており、それぞれに核となるテーマが存在 第1部:これまでのFF 最初はアバランチvs神羅という、これまでのような善と悪の戦いが展開 従来のFFを彷彿させる中で重要な人物が死亡、ここからミステリータッチの展開へ 第2部:ミステリー(謎解き) 主人公の過去に深く関わる人物が登場、様々な謎を解きながら彼の足取りを追っていく やがて主人公の内面にある過去の傷(トラウマ)が見えてくる 第3部:大スペクタクル 主人公の内面に関して決着がつくと、以降はハリウッド映画級のスペクタクル展開へ 世界観 FFシリーズの定義でもある、「なんでもあり」を活かした世界観に グラフィックがリアルになり様々な表現が可能になったため、これまで以上に世界観を細かく設定 ミサイルや銃が登場しても違和感を感じない、機械文明寄りの世界観に(スチームパンク) |
■用語解説 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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■ゲームシステム |
■フィールド ワールドマップ ・フルポリゴンによる3Dグラフィックスで描画、 臨場感溢れるフィールドに ・カメラ(視点)を回転させることが可能(フィールドでカメラを回せるRPGの元祖) 街・ダンジョン ・これまではチップ(パーツ)構成だったが、本作からはプリレンダCG(一枚絵)で描画、従来よりもリアルなグラフィックに ・キャラクターは3Dで表示(奥行きのあるマップでは位置によってキャラクターのサイズがリアルタイムに変化) エンカウント ・雑魚敵との戦闘は従来通りのランダムエンカウント(移動中、一定確率で戦闘シーンへ) 乗り物 チョコボ、バギー、船、飛空艇など ■バトル ATB(アクティブタイムバトル) フィールド、味方、敵の全てが3Dグラフィックで描かれ、多彩なモーションと臨場感溢れるカメラワークで演出 参加メンバーは前作の4人から3人に減少(バトルのテンポやグラフィックの品質、戦闘開始時のローディングを考慮?) リミットブレイク ダメージを与えたり、受けるとリミットゲージが増加、MAXで様々な必殺技が使用可能に 使い続けるとレベルが上がり新たなリミット技を習得(最大であるレベル4の技は条件を満たすことで習得) 召喚獣 様々なアビリティの中でも最も強力で派手なのが「召喚魔法」 魔法同様マテリアを装着することによって使用可能に (これまでのFFとは異なり)召喚獣と戦う機会はなく、物語への関わりもない バトルシーン動画 ■マテリア ・武器・防具に装着することによって、ステータスアップや様々なアビリティ・魔法が使用可能に ・成長させることによって新たなアビリティが使用可能に ・入手方法はマテリア屋で購入、フィールド上で入手、敵を倒して入手など(収集要素) ■イベント キャラクターも3Dで描画されているため、これまで以上に細やかな演技をするように ダイナミックなシーンはプリレンダムービーで演出、映画のような迫力ある展開に プリレンダムービー CD-ROMによる大容量化に伴い、CGムービーによる演出が行われるように 一部のシーンではムービー中もキャラクターを動かすことが可能 ■ミニゲーム 本格的なミニゲームが多数登場 バイクゲーム、スノーボード、チョコボレース、他 ゴールドソーサー ・様々なミニゲームがプレイできるアミューズメント施設 ■BGM プレイステーションの内蔵音源を使用、同時発音数が(SFCの8から)24(内6は効果音)に増加 同時発音数の増加によって作曲の自由度が増し、表現力も豊かに ファイナルバトルのBGM(片翼の天使)はサンプリングによるコーラス入り ■その他 ラブパラメータ(好感度) ・エアリス、ティファ、ユフィ、バレットの4人には(クラウドへの)好感度が内部で存在、選択肢によって増減していく ・この結果によりゲーム中盤のイベントが変化(デートイベントの相手が決定) チョコボ育成 本作はチョコボを育成・配合していくことで移動可能な地形が増加(やり込み要素) 最終的には海や山なども含め、フィールド上の全てを移動できるように(FFシリーズ初) |
■仕様 |
価格:6,800円 メディア:CD-ROM3枚組 メモリーカード対応(1ブロック使用) PS2のPS1互換機能 テクスチャマッピング補間:効果無し CD-ROM高速読み込み:効果有り |
■開発 |
開発第1部(FFチーム)が製作、制作費は過去最高 映画的演出を得意とする北瀬佳範氏が中心となって製作。北瀬氏と野村氏が企画やコンセプトを手掛けた。 坂口博信氏は一歩引きバトル方面のリーダーとして参加、中盤以降はリクルート業務に専念 当時の最先端技術を駆使、最終的にはクロノトリガーやサガなども含むスクウェアの全人材の才能を注ぎ込んで完成 制作費:約15億円(ファミ通によると約29億円) 開発人数:150~200名 製作期間:1~2年 ■対応機種 FF6の開発終了後、同チームが引き続きSFC向けにFF7の企画を進めていたが、クロノトリガーのヘルプのためにチームが解散。その後SFCの後継機(後のNINTENDO64)向けに開発を再スタートさせたが、同ハードがCD-ROMの採用を見送ったため、大容量メディアを前提とする本作はCD-ROMを持つハードへ移行することに CD-ROMなら低価格で販売できることや、再生産(追加出荷)が迅速に行えるというメリットも大きな決め手に ソニー(プレイステーション)とセガ(セガサターン)の両陣営から積極的なアプローチがあったが、3D表現により優れたプレイステーションを選択。SCE(現SIE)からは、技術的なバックアップは勿論、広告面でもかなりバックアップを受けていた。 PSへの移行が決定したのは1995年の年末で、FF7やFFT、FF4の移植に加え、サガや聖剣伝説などの主力IPの他、格闘ゲームやスポーツゲームなどのRPG以外のジャンルも含め一斉に制作開始 ■シナリオ 前作までのシナリオは専任を立てずプランナーが各自で書いていたが、本作は野島一成氏が中心となって制作 ・本作が初参加となる野島氏は「ヘラクレスの栄光III」などで好評を博したシナリオライター 野村氏を含む複数人でアイデアを出し合い、北瀬氏が文章にし、野島氏が台詞入りに直すような形で製作 既存のRPGの文法を破り、メンタルの弱い主人公や不幸になるヒロインなど、これまでタブー視されていたことに挑戦 喪失感を出すことで本作のテーマである“命”を表現、展開を決めたのは野村氏で、イベント演出は北瀬氏 ユフィ関連は秋山氏、ヴィンセント関連は千葉氏、蜜蜂の館は鳥山氏、五強の塔は時田氏が制作 ミディール村(ライフストリーム関連)や決戦前夜(クラウドとティファのやり取り)はクロノの加藤氏が担当 海外版(インターナショナル)ではザックスを掘り下げるイベントを北瀬氏が追加 開発初期には坂口氏が書いた現代(ニューヨーク)から話が始まるプロットが存在しており、魔晄都市や「星の命」というテーマなどは形を変えて残っている。 ■キャラクター デザインはFF5&FF6のモンスターやFF6のデフォルメキャラを手掛けた野村哲也氏 これまでは情報公開の際に天野氏のイラストを全面に押し出していたが、本作からは野村氏のイラストを使用 キャラクター設定は野村氏が考案し、シナリオ製作段階で野島氏らが補完 リアルなキャラクター(外見ではなく存在感として)を目指して制作 ■グラフィックス 2Dと3Dの両方が検討されていたが、最終的に3Dに決定(2D版コンセプトグラフィック) 2Dから3Dへの移行によりプログラムは困難を極めたが、CGのスペシャリストである橋本和幸氏のアドバイスによって製作が進行 プリレンダムービーは本作より参加した榊原氏の力が大きく、様々な技術を古参のスタッフに伝授 開発の中で仕様変更などが行われたため、プリレンダムービーのキャラクターの頭身が統一されていない。 ・(当時は)1秒分を作り直すのにも数百万単位のコストが発生するため オープニングのカメラワークやシームレスにゲームプレイに繋がる演出は坂口氏が発案 キャラクターのリミット技や召喚魔法の演出は野村氏が担当、自ら絵コンテを描いている。 プリレンダムービーとは 高性能なコンピュータ(開発環境)で制作されたCGムービー ゲーム機側では動画の再生処理を行うだけなので(ゲーム機の性能に依存しない)高品質な映像に (ゲーム機側でリアルタイムに作り出す映像に比べ)容量が非常に大きくなるのがネック ■システム マテリアシステム 坂口氏が発案(旧称:スフィアシステム)、FF6の「魔石」の発展形ともいえるシステム リミットブレイク 野村氏がFF6の時に考案した「必殺技」を発展させたシステム 後にFF11で「TP(タクティカルポイント)」として数値化、HPやMPに並ぶ3つ目のポイントとして、RPGお馴染みの要素に ■開発エピソード CD-ROMはロード(データ読み込み)に時間がかかるため、プログラマーの成田氏らが最適化を重ねて極限まで短くなるよう調整 常に裏でデータを読み込む、シークタイムが短くなるようにデータ配置するなど、ロードを感じさせない工夫が行われている BGMのデータはロード時間に影響を与えないレベルまで圧縮(FF7の全曲の容量は300KB以内) SFC向けの頃は「魔女との戦い」(野村氏発案)が企画されていたが、 開発の仕切り直しに伴い中断(後にFF8で一部採用) ウォールマーケットは歌舞伎町を意識して製作 ジェノバと(FF7スタッフが関わった)クロノトリガーのラヴォスは、当時トレンドだった“宇宙からの侵略者”という意味で、近い思想の元に製作 植松氏は後(2016年)に、最も作曲に時間がかかった曲として『片翼の天使』を挙げている 植松氏は「FF7は自分がいちばん自由になれたタイトル」と発売から20年後にコメント FF6までのグラフィックチーフ高橋氏は、FF7とは異なる路線を目指すため、開発第3部(聖剣チーム)の下で『ゼノギアス』を製作 ・開発第3部では当初「クロノトリガー2」が企画されていたが、高橋氏の参加により「ゼノギアス」へ変更(これに伴い聖剣スタッフの石井氏らはサガフロンティアの開発に合流) ■プロモーション 1996年2月 TVCF&雑誌広告 ・テーマは「PSで発売」「3DCG」のアピール、キャッチコピーは「FF始動」「FF胎動」 CM動画 (YouTube) 1996年8月 雑誌広告 ・「驚異的なまでに美しく、ハイクオリティな映像世界」をアピール 1996年9月~10月 雑誌広告 ・テーマは「キャラクター強化月間」、キャッチコピーは「汝、我に魂を与えよ。」 1996年11月 雑誌広告 ・「システム(バトル)強化月間」をコンセプトに、バトルシーンを大々的にアピール 1996年12月 TVCF&雑誌広告 ・「ストーリー強化月間」 1997年1月 TVCF&雑誌広告 ・最終プロモーション キャッチコピー FF始動(発表CM) ウェルカム、ファイナルファンタジーVII。(紙面広告) エンタテインメント新次元。(ソフトの帯) |
■開発スタッフ(敬称略) | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
開発チーム:スクウェア 開発第1部
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■影響 |
■国内 FFはこれまで一般層の認知が高くなかったが、本作はニュース番組や新聞各紙が好調なセールスや革新的なゲーム内容を伝えるなど、世の関心を集めるタイトルへと成長 ユーザーの年齢層が高いプレイステーションへ移行したこともあり、大人やカジュアル層のプレイヤーが大幅に増加、芸能人らもプレイするほどの人気タイトルに 一方で前作からプラットフォームを変更したことや、大きく変化したゲーム内容について発売当初は戸惑いの声も上がり、一部ではFF批判*が噴出するほどであったが、その後長い年月を経て、シリーズの中でも屈指の人気を誇る作品となっていった。 日本のゲーム産業は本作が発売された1997年の5833億円がピークとなっている。 *FF批判 当時のゲーム誌にて業界著名人によるFF7のレビューが掲載されたが、伊集院光氏や飯野賢治氏らはネガティブ寄りの感想を述べており、中でも伊集院氏は本作以降ほぼ全てのシリーズに対して(未プレイのFF11なども含め)痛烈な批判を繰り返している。 雑誌「ゲーム批評」はFF7のレビュー記事を4ページに渡り掲載したが、その大部分がストーリーを批判する内容となっており、以降も同誌はFFだけでなくスクウェアや同社のソフトに対して否定的な記事を掲載し続けた。 朝日新聞は発売日に行列ができなかったことや、ゲーム批評編集長やゲームデザイナーなどによるシナリオの酷評を紹介するなど、複数回に渡りネガティブな記事を掲載 ■海外 日本においてドラクエがRPGというジャンルを定着させたように、海外ではFF7がそれまでマイナーだったRPGを一番人気のジャンルへと引き上げた。 歴史が長く非常に多くのタイトルが発売されていることもあり、スカイリムなどセールスにおいてFF7を超える作品が登場している現在もなお、RPGといえばFFの名が真っ先に上がるほど知名度が高く人気も根強い。 FF15などを手掛けた田畑氏によると、海外においてFFシリーズは“FF7”と“それ以外のシリーズ”の2つに分けて扱われるほど、FF7が神格化され人気が一極集中しているという。 ■キラーソフト 当時のコンソール(据置機)市場はプレイステーション(ソニー)とセガサターン(セガ)が首位を争っており、ニンテンドー64(任天堂)は発売の遅れやROMカセットの採用によるソフトの高騰により伸び悩んでいる状況で、スクウェアがFFの最新作をPS向けに投入したことが決定打となり、ゲームハードのシェア争いに終止符が打たれることとなった。 以降FFはゲームハードにおけるキラーソフトとして扱われるようになり、セガは次世代機をFF8発表にぶつける形で5日後に披露、任天堂はスクウェアのGBA参入条件としてGCでのFFの発売を要求、マイクロソフトもXbox360の立ち上げにあたりFF11において特例を適用するなどの待遇を行っている。 ■任天堂との確執 スクウェアはPS参入を機に開発ラインを全てPS向けに移行、任天堂との取引を完全に断ち切り、SCE陣営へ移籍する姿勢を見せた。 スクウェアの移籍は業界に多大な影響を与え、他社も続々とPSへシフト、任天堂はコンソール機におけるマーケットシェアをSCEに奪われることとなる。 この一連の流れが任天堂の山内社長の逆鱗に触れ、スクウェアと任天堂は絶縁状態に陥る。以降、山内氏は公の場で幾度と無くスクウェアやFFを批判、2001年にはスクウェアのGBAへの参入を拒絶した。 2002年、山内社長の引退に際し関係が修復され、5年ぶりに任天堂へのソフト供給が再開された。(当時SCEは経営危機に陥ったスクウェアを救うため149億円もの出資を行い第2位株主となっていたが、これを容認) ■その他 ・SFC全盛期、ファミコン通信の編集長だった浜村氏は、開発中のFF7のデモを見て衝撃を受け、PS系を取り扱う為に雑誌の名称を「ファミコン通信」から「ファミ通」へと変更 |
■リメイクに関する経緯 |
2001年 スクウェア、FF7・FF8・FF9をPS2に移植すると発表 ・音楽や映像を強化、付加的要素を追加、DVD-ROMを使用 2002年 経営方針転換に伴いFF7~FF9のリメイク計画が取り消しに ・スクウェア「リメイクをしなくても楽しめるという調査結果が出たため」 2005年 PS3技術デモ公開 北瀬P「あくまで技術デモであり、何かの予告のような意味合いは無い」 野村D「北瀬から「リメイクをやるならお前のチームでやれ」と言われているが、今は時間がなくて出来ない」「リメイクやゲームとしての続編(FF7-2)は、やるならオリジナルのFF7に関わった人間がやるべきだと考えている」(アルティマニアΩより) 2009年 北瀬P「1年以内で作れるならやりたいが、FF13レベルのグラフィックでリメイクするとなると、FF13にかけた時間(3年半)の3~4倍の時間がかかるので非現実的」(情報元) 2010年 北瀬P「FF7のリメイクは現時点では計画に無い」「個人的な会話の中で「もしやるならこうしたい」などと話すことはある」(情報元) 2012年 和田社長「FF7を超える作品が出ない限りはFF7のリメイクは作らない」(情報元) 2014年 北瀬P「FF7本編のリメイクは動いていない(開発されていない)」「FF7Gバイクでクオリティーの基準を作り、地ならしが終わったら、満を持して作ろうかな、ということになるかも」(情報元) 橋本P「今すぐリメイクする予定はないが、これからも社内を説得していく。Gバイクがヒットすれば(松田)社長も考えざるを得ないのでは」(TGSイベントより) 野村D「FF7ACCから5年。このGバイクによって、新たなスタートを切れればと」(情報元) SCEによるPSタイトル発表会にてPC版の移植を『FF7リターンズ on PS4』として発表 2015年 6月のE3 2015 PSカンファレンスにてPS4でのフルリメイクが発表 ■FINAL FANTASY VII TECHNICAL DEMO FOR PS3 ・PS3向けの技術デモ映像(動画) ・FF7のオープニングをリアルタイムCGで再現 ・「E3 2005」のSCEカンファレンス(PS3発表)にて公開(カンファレンスの中でも最も大きな歓声があがった) ・製品化の予定は無し ・『DCFF7』の予約特典DVDに収録 ・この映像の製作が切っ掛けとなり、当初PS2向けに企画されていたFF13がPS3へ移行 |
■関連商品 | |||||||||||||||||||
■音楽 FFVII オリジナルサウンドトラック リバイバルディスク 2019年7月24日発売:Amazon(限定) / 楽天 Blu-ray Disc(mp3ファイル同梱) 全85曲 FF7の楽曲がゲーム映像と共に楽しめるサントラ ブックレットにFF7開発スタッフコメント収録 FFVII オリジナルサウンドトラック / iTunes
FFVII リユニオン・トラックス / iTunes
ピアノコレクションズ ファイナルファンタジーVII / iTunes
BRA BRA FINAL FANTASY VII:Amazon / 楽天 ・吹奏楽アレンジアルバム第四弾 ・植松伸夫完全監修 ・全曲FF7の楽曲オンリーで構成 BRA BRA FFVII BRASS de BRAVO:Amazon / 楽天 ・FF7オンリーのブラバンコンサートが映像化(Blu-ray) ・特典映像収録(バックステージの様子や、坂口氏・北瀬氏・渋谷氏の練習風景など) PV動画 SQUARE ENIX JAZZ -FFVII- :楽天 / Amazon ・「星降る峡谷」など全12曲を収録したジャズアレンジCD PV動画 / インタビュー FF7R and FF7 Vinyl:Amazon / 楽天 LPレコード2枚組 完全限定生産盤 原作及びリメイクから選曲 Radiant Melodies - FINAL FANTASY VII 2023年2月1日発売:Amazon 弦楽器とパーカッションで奏でるFF7楽曲 Amazonオリジナル特典:メガジャケ 音楽(FFシリーズ全般) PIANO OPERA FFVII / VIII / IX ・FF7から「オープニング~爆破ミッション」「更に闘う者達」「花火に消された言葉」「星降る峡谷」収録 ・初回生産分は特製スリーブケース付 FF バトルアレンジ -THE BLACK MAGES- ・FFVII「更に闘う者達」「ジェノバ」収録 THE BLACK MAGESIII Darkness and Starlight ・「オープニング~爆破ミッション~」収録 FINAL FANTASY SONG BOOK まほろば ボーカル作品集 全10曲(FF7からは2曲) 作曲・アレンジ/植松伸夫 ボーカル/清田まなみ FF ロサンゼルスコンサート2005 CD ・「オープニング~爆破ミッション~」「エアリスのテ-マ」収録 Distant Worlds music from FINAL FANTASY オーケストラアレンジ 演奏:ロイヤル・ストックホルム・フィルハーモニー管弦楽団 「オープニング-爆破ミッション」「エアリスのテーマ」「片翼の天使」収録 Distant Worlds II:more music from FF ・オーケストラアレンジ ・「FFVII メインテーマ」「ジェノバ」収録 BDM『Final Symphony - music from FF VI, VII and X』 ・オーケストラアレンジ 『ディシディアFF オリジナルサウンドトラック』 ・「FF7メインテーマ(アレンジ)」「片翼の天使(リユニオントラックス版)」「更に闘う者達(アレンジ)」収録 FFVII リュニオントラック オンエレクトーン FD付 ■書籍 ファイナルファンタジーVII 解体真書 ザ・コンプリート 改訂版
ファイナルファンタジーVII アルティマニア オメガ
FFVII 10thアニバーサリー アルティマニア 増補改訂版
小説 FFVII 外伝 タークス~ザ・キッズ・アー・オールライト~ 野島一成(著) ・本編から2年後の物語 ・神羅カンパニーの再建を目指すタークスと、崩壊後の世界で生きる二人の若者エヴァン&キリエたちが軸に語られる長編小説 Vジャンプ緊急増刊 FFVII ワールド徹底ガイド ・FF7関連書籍の中でも最もインタビューやレビューが充実 ・開発スタッフ個別インタビュー ・堀井雄二氏や鳥山明氏など著名人によるレビュー FFVII Vジャンプブックス ゲームブックシリーズ FFVII パーフェクト(Vジャンプブックス ゲームブックシリーズ) FFVII 公式設定資料集 FFVII 解体真書 ザ・コンプリート [編集スタッフコメント] FFVIIインターナショナル ポストカードブック FFVIIインターナショナル メモリアルアルバム FFVII 楽しいバイエル併用 ファイナルファンタジー大全集 Vol.2』(FF7~FF10) 設定資料 FF20周年アルティマニア:File1/File2/File3 背景画集 草薙IV FF7~9 楽譜 ピアノソロ 上級 ピアノコレクションズ FF7 ピアノコレクションズ・ベスト FF7~X-2 アルトリコーダーアンサンブル 原曲に近いアレンジシリーズ ■フィギュア プレイアーツ vol.1 クラウド/ティファ/エアリス /クラウド&ハーディ・デイトナ プレイアーツ vol.2 ユフィ/セフィロス/ヴィンセント/レッドXIII & ケット・シー スカルプチャーアーツ:エアリス スタティックアーツ:クラウド/セフィロス マスタークリーチャーズ イフリート FFクリーチャーズ 改 Vol.2(ヴィンセント、他) コールドキャスト製塗装済完成品 ティファ FF トレーディングアーツミニ Vol.1(クラウド、他) FF トレーディングアーツミニ Vol.2(ティファ、他) FF トレーディングアーツミニ Vol.4(セフィロス、ユフィ、他) FFTA改mini クラウド / ティファ / ユフィ FFVII PA改 ユフィ / ルーファウス / ヴィンセント FF7ACプレイアーツ改:クラウド/ティファ/バレット/レッドXIII ■その他 神羅カンパニーキャンバスポーチ:Amazon FFVII ルーファウス社長就任記念コップ FFVII アドベントチルドレン ステッカー ファイナルファンタジーVII 神羅ステッカー カードスリーブ クラウド/ セフィロス FF ぬいぐるみキーチェーン(全5種) スクウェアメモリーカードデータコレクション(FF4~8・FFTなど) FINAL FANTASY:THE ADVENTURE BIBLE(DVD PS『チョコボの不思議なダンジョン』 ・FF7の最強セーブデータなどを収録した「不思議なデータディスク」が付属(不具合あり) ■リトルビッグプラネット2 『ファイナルファンタジーVII』パック 配信開始日:2011年7月14日 配信価格:1体200円/4体+シークレット1体600円 コスチューム:クラウド/ティファ/エアリス/セフィロス/ヴィンセント(シークレット) PS3『リトルビッグプラネット2』にFF7のキャラクターのコスチュームが配信 TGS2008にてLBP(1作目)とのコラボレーションが発表、その後進展が無かったが、2011年に続編のLBP2にて配信 ■大乱闘スマッシュブラザーズ 3DS&WiiU版からクラウドが追加(2015年12月16日) ・クラウド+ミッドガルステージ(650円) switch版からセフィロスが追加 ・片翼の天使 / セフィロスの使い方 |